フーリガン日本公開
【ひとりイライジャ祭り】その12
DVDで、中国語字幕と戦いながら観た『フーリガン』(原題:“GREEN STREET HOOLIGANS”)が、どうやら日本でも公開されるらしい。6月17日からシネマライズ他にて。これってやっぱり、ワールドカップと絡めたんだよね。
で、もう1回観てみた。相変わらず中国語字幕と格闘だけど、さすがに2回目だとだいぶ分かるところが増えてきた。1回目に観た時も思ったが、この監督さんは「過程」を見せるのがうまい。イライジャ演じるマットがパブでウェストハムのフーリガン仲間に受け入れられていく過程、マットが初めてサッカーの試合を生で観戦してすっかりその興奮に魅せられていく過程、少年サッカーチームのコーチをやっているピートに連れられて、初めてゴールキーパーを体験し、さんざんにやられてしまう過程。この辺りが、早回しやストップモーションを多用しつつ、テンポがよくて小気味のいい音楽を組み合わせ、冗長にならずコンパクトにうまくまとめている。フーリガンやサッカーに対してさほど興味のない私のような観客をも、そのテンポの良さでぐいぐい引っ張っていく。見事だ。
さて、イライジャはやっぱり瞳が本当にきれいで、吸い込まれてしまいそうだ。ハーバード大でジャーナリズムを専攻するエリート。ルームメイトに罠にはめられても、自分の身の潔白を晴らすだけの意地もない、ケンカもしたこともない真面目な優等生。あまりにも素直、あまりにも愚直。プライベートでも、多方面から非常に感じの良い青年という評価を得ているイライジャだけあって、ビジュアル的にも雰囲気的にも、監督のイメージとぴったりだったのだろう。
で、例によってイライジャ語り・・・と行きたいところなのだが、実は今日は別の役者の話。1回目に観た時から、すごく気になっている大大注目の役者がもう1人いるのだ。もう一人の主役、ウェストハムのファーム(←コアなフーリガンのチームのことらしい)GSEのリーダー、ピートを演じたチャーリー・ハナム?いや、裏切り物ボヴァーを演じた、レオ・グレゴリー。なんでも、リドリー・スコット監督の『トリスタンとイゾルデ』に出演しているのだとか。
→公式サイト:http://www.wisepolicy.com/hooligans/index.html。一番左の人です。
徹底的にマットを毛嫌いする、ヤンキー嫌いの神経質そうなやせぎすの男。たばこの吸い方からして神経質そうだ。たばこの根もとの方を鉤型に曲げた人差し指と中指の間に挟み、頬をへこませて吸う姿は、あたかも麻薬に飢えた中毒患者のように虚ろな雰囲気。フード付きのウィンドブレーカーのジッパーを襟首までぴっちりと上げ、肩をすくめて歩く姿。敵対するファーム、ミルウォールのメンバーが集うレストランで、まずそうにピラフ(なのか?色つきご飯に肉らしきものの塊とまずそうなチョコレート色のソースがやる気なさそうにかかっている)をつつく手元。血の気のひいた蒼白な顔色、とがった鼻、深くほうれい線の刻まれた口元、そして。じろりとマットを睨む三白眼。そう、この三白眼が、強烈なインパクトなのだ。
この強面のお兄ちゃんが、自分の裏切りのせいで取り返しのつかない事態を招き、くしゃくしゃに丸めたメモ用紙みたいに泣きじゃくる姿は、なんだかとても切なかった。もともと皺の多い顔と細身のザ・アングロサクソンな体型が、さらに小さく細くヨレヨレになって、まるで絞りに絞ったボロ雑巾のようだった。絞られきって、もう一滴の涙も出ない・・・。
イ、イカーン!イライジャ祭りのはずが、グレゴリー氏語りになってしまった。失礼いたしました。
<インフォメーション>
「フーリガン」 原題:GREEN STREET HOOLIGANS
6月17日よりシネマライズほか全国にて公開
だ、そうです。日本にいる方、ぜひどうぞ!










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